もしラスと禁煙はよく似ている。

もしラス

もしラスという言葉がある。

「もしラス」とは、「もしかしたらラス半」の略。
もしかしたらやめる事であり、もしかしたらやめない事である。

店によっては「もしラス」が禁止な店もあるが、全体数から見ると少数派だ。
でも店側が禁止をしたいその気持ちは、痛いほどよく分かる。
得てして「もしラス」をかける客ほど、すぐにはやめない。

「ラス半」ではなく、「もしラス」をかけるのには理由がある。
それは金銭的に4着だった場合次のゲームに参加出来なかったり、時間に制限があって展開次第ではもう一回出来たり、流れが悪いから一回様子を見てやめようと思った時に使う言葉だ。

本来であれば使ってはいけないお金や時間を使っているかもしれない。
本来であれば行かなくては、帰らなくてはいけない場所があるかもしれない。
本来であれば明日に備えて体を休めなければいけないかもしれない。

そんな葛藤の中でとりあえず言ってみる。

「もしラス」

この言葉を客に言われた時、メンバーの営業力の見せ所。
それは目の前のお客様はもしかしたらもう一半チャン打つ可能性があるから。
フリー雀荘で麻雀をしている人は、みんな麻雀が大好きだから。

麻雀の”麻”は、麻薬の”麻”だと言う言葉があるように、やめたくてやめる人はいないのだ。

禁煙とは、みなさんもよくご存知だと思う。
書いて字の如く、「煙を禁ずる」事。つまりタバコを辞める事。
最近では、能動的に辞める「断煙」や、卒業の意味を持つ「卒煙」などという言葉もあるらしい。

いくら呼び方を変えようと、タバコを辞めるという事を言い換えているに過ぎない。
そして呼び方が多い分、禁煙について考えている人間、時間が多いという事ではないか。
昨年は3度の禁煙に成功している私も、考える時間は多い。

この記事に画像や見出しは無く、文章だけなので、
そろそろ飽きてくる人もいるかもしれないが、もう少し辛抱してほしい。

禁煙と「もしラス」の説明が終わったところで、本題の”よく似ている”の話に入る。

麻雀と一緒で、煙草をやめたくてやめる人はいない。
金銭的な負担であったり、煙草に費やす時間がバカバカしくなったり、
健康に気を使い始めた時に、とりあえず言ってみる。

「禁煙する」

喫煙者のこの言葉には、「もしラス」程の信ぴょう性しかない。
麻雀をしない人が「もしラス」と言わないように、煙草を吸わない人は「禁煙する」とは言わない。

“煙草”を”麻雀”に置き換えてみるとよくわかる。
よくわからない人はもう一度最初から読み直して欲しい。僕はもう既によくわかっていない。

勘のいい人なら気付いているかもしれないが、この記事は僕の禁煙をするという決意表明である。
文章を書いて自分を追い込むところから始めている。
今持っているタバコがなくなり次第スタートの予定だが、もう僕の禁煙は始まっていると言っても過言ではない。

後は「もしラス」と言われた時に、ここぞとばかりに営業力を発揮してくるメンバーの如く、タバコを吸わせようとする輩との闘いになる。

この並々ならぬ決意を胸に、今日僕は宣言する。

「もしラス」