すけべの魅力〜倭の国の神事〜

前作が意外にも好評を頂いたのでシリーズ化に踏み切った。

直接会って記事の感想を言ってもらえるとすごく嬉しい。ただ、注意書きをしておいたにも関わらず、感想を頂いた女性の方も多かったので、改めて注意書きをしておこうと思う。

この記事を読む前に、強く言っておきたい事が2点ある。
みなさんには、まずこれを約束して欲しい。

1,成人男性しか読まない事
2,iPopの人に対して偏見を持たない事

大事な事なので、一つずつ説明しよう。

成人男性しか読まない事
性的な描写が多々登場し、中には不快に思う女性の方もいるかと思ったため。万が一、女性の方が読む場合には、ノークレームノーリターンでお願いしたい。

iPopの人に対して偏見を持たない事
僕は一般的で健康な成人男性である。何らおかしい事は無い。今回は、みんながあえて口にする事ではないが、誰もが思っている事を代弁している。
この要項を最初に断っておくのは、もしかしたら「あの人頭おかしいんじゃないか」と考えてしまう素人がいたら困ると思ったため。今更付け足しで申し訳ないが、素人の人もお断りだ。何の素人かは想像に任せる。

要約するとすけべな男しか読むなって事だ。
ご理解頂けたでしょうか。

あぶく銭

泡のように消えるお金。悪銭身に付かずという言葉は本当に的を射ている。大して苦労もせずに得たお金は、有り難みが無いので泡のように使ってしまう。

ある日、僕はひょんな事から”あぶく銭”を手に入れた。頻繁には無い勝ち方。ケンシロウには「よくやった」と褒めて使わしたい。初めて打つ台でエンディングまで見れて非常に気分は良かった。

いざ想定外のお金を手にすると、”何かに使ってしまわないと”という脅迫的概念にとらわれる病気を患っている僕は、「何かしなくては!!」という状態にまんまと陥っていた。

たまたま日曜日に、横浜で昼過ぎには終わる用事のあった僕は悩んでいた。さて、終わったら何をしてやろうか。

用事というのは、ひょんな事から引き受けた、友達の結婚式の2次会幹事の仕事。現場の下見に行く事だった。そこは式場と同じ場所なので、とても綺麗。

その日は天気も良く、景色や外観など、どれをとっても最高の会場だった。下見を終えた後、打ち合わせ室という部屋で今回の担当者と細かい打ち合わせをする。

その打ち合わせ室に入ってみると、”アウェーな空気”が充満していた。周りには式を考えている新婚っぽい夫婦ばかり。どいつもこいつも幸せそうだ。一人で打ち合わせしているのは僕だけ。くそったれが。

すけべで鍛えたメンタルでそんな事は難なく乗り越えるが、会場を後にした瞬間、ふと芽生える気持ちがあった。

うまく言葉では説明出来ないが、”すけべ”かと頭をよぎった。

腹ごしらえ

横浜といえば、僕の中では家系ラーメンか、西口の交番前の立ち食いうどん。その日の気分は後者だった。きつねうどんにネギをたっぷり入れて駆け込む。立ち食い独特の雰囲気もあって美味さは増す。

食べながらその後の流れについて考えていたが、まずは麻雀をしようと思った。まだ昼過ぎ、”すけべ”には早過ぎる。せっかくの休みなのに、”すけべ”に行くと全ての気力を失うので、ちゃんと遊んでから締めの”すけべ”だ。

その間に”すけべ”に対する姿勢をなるべく高める。これに麻雀はいい作用がある。例によって、うまく言葉では説明出来ないが、その後の”すけべ”へのモチベーションを高くあげる事が出来る。

お昼過ぎ、腹ごしらえをしてから、横浜では必ず行く雀荘に入った。

手応え

大勝ちした後というのは、気がでかくなり注意力が散漫する。なので、勝った時よりも低いレートの麻雀をして、自分の理性や態勢を整えるための麻雀を僕はする。勝ったから倍プッシュではなく、あえてそれよりも低いレートで打つ事によって、金銭感覚のマヒを矯正する必要がある。

その日の麻雀は数時間打って約1000円負けた。ゲーム代比率などを考えても、大勝ちの後にしては優秀な成績だった。一度冷静さを取り戻すための費用対効果は抜群によかった。

そんな調整の麻雀も、次のすけべに繋げるため。僕くらい麻雀に本気になると、すけべに結び付けるための麻雀を打てる。

いい手応えを感じながら雀荘を出て行き先を考える。”すけべ”に関しては予定を立てておく事は少ない。その場、その場で”すけべ”になった時に行きたい”すけべ”が、本当の”すけべ”なのだ。

場末感

僕は場末感が好きだ。昔ながらの感じ、効率なんて求めていない。慣れていなければ入りたくない場所。

いざ入ってみると新しい発見が多数ある事を知っている僕は、進んで”場末感”に入っていく。不味そうなラーメン屋に、たまに入りたくなる気持ちがわかる人なら気が合うと思う。

みなさんが華やかなイメージを持つ”横浜”とは、桜木町の事だ。夜景が綺麗で観覧車があって、デートにはもってこいのスポット。恥ずかしながら、当時中学生だった僕の初デートも桜木町だった。

そんな”浜っ子”な僕は、現実は綺麗な場所だけではない事を知っている。あのロマンティックで綺麗な夜景の裏に、どす黒い町があるのだ。

少しだけ離れると、「親不孝通り」と呼ばれる場所がある。
放蕩の限りを尽くし、親の死に目にも会えない人が多数いた事が由来らしい。なんともワクワクしてくるネーミングではないだろうか。

雀荘から出た僕は、無意識のうちに「親不孝通り」へと向かっていた。

親不孝通り

いざ足を踏み入れると独特の雰囲気が凄い。
中国人が立ちんぼをして、裏カジノ、裏スロ、裏マッサージと裏が付くものには何でも連れていってくれる。

”どれ”に引っかかり、”どこ”へ行っても場末感は凄い。場末感という表現が正しいのかは分からないが、とにかく凄い。

あらゆる繁華街に”キャッチ”はいるが、ここの”キャッチ”達は空気が違う。僕の主観かもしれないけど、それには理由がある。何度断っても平気でついて来るし、何度通っても同じセリフを言われる。中国人の”キャッチ”はどこかレベルが違う。

余談だが、キャッチには引っかからない為にはコツがある。これは居酒屋でも、カラオケでも、キャバクラでも、裏カジノのキャッチでも共通だ。まずは”キョロキョロ”しない事。行き先が決まっていないと思われると、すぐに狙われる。しっかりと前を向き、迷い無く歩く事。もし声をかけられた場合は、行き先を告げる。”何処に何時に行く”と伝えると、”キャッチ”はスッと引いていく。

そんな僕が最後に足を止めたのは、半年前の新宿歌舞伎町。いつも通り声をかけられ、「麻雀だから」と軽くあしらおうとすると、「脱衣麻雀って興味ありますか?」と言われ、不覚にも足が止まってしまった。

「少し話を聞こうか」

この話は長くなるのでまた次の機会にしようと思う。

少し話が逸れたが、”キャッチ”について行くのは、「時間が無い時」と「土地勘の無い場所にいる時」。この二つに決めているので、今回はキャッチには引っかからずに自分の足で歩き回る事に決めていた。

昼間は暖かかったものの、日が落ち、静かな秋風に打たれ、少しずつ冷え込んできた。暖まりたかった。お風呂に入りたかった。

お風呂とは

そうだ、お風呂に入ろう。冷えた体を湯船に浮かせるあの瞬間は最高だ。お風呂と言っても、これから行こうとしているお風呂は、銭湯でもスパでもない。特別なお風呂だ。

ヘルス等のすけべは、性的サービスが目的とされている。それ故のすけべだが、お風呂は違う。ヘルスであれば女の子が、本番以外の性的なサービスをしてくれる。ここで大事なのは、本番行為。

ソープと呼ばれるそのお風呂は、入浴料を支払うと浴場に案内される。それは銭湯のような大浴場ではなく、基本的にはこじんまりとした部屋だ。そこには、入浴を手伝ってくれる”湯女”がいる。

2人だけの密室で体を洗ってくれるのだが、男女が同じ空間で裸でいると、短時間であろうと恋愛感情が芽生える事がある。その先の出来事は風営法などでは規制出来ない。本番行為をしようが、自由恋愛なのだから仕方が無く、警察が口を出せる事では無い。

いわばお風呂とは屁理屈でなのである。突っ込んだら負け。人類みなすけべなのだ。

さて、お風呂についてご理解頂けただろうか。

お風呂選び

部屋へ入る前にわかる事は、支払う金額と、湯女の情報。支払う金額は確定するが、情報はわからない。写真は真実を写すとはよく言ったものだが、すけべが絡めばそんな事は関係ない。

写真は客の望むものを写し、名前は本名とはかけ離れたものをつけ、スリーサイズには湯女自身の理想が書かれている。

“当たり”はずれ”とはよくすけべで語られるが、果たして本当に”当たり”が入っているのだろうか。

僕の学生時代、テキ屋の手伝いをしていた頃、夏祭りでくじ引きの屋台を担当した事があった。200円でくじを引き、当たった商品がもらえる。

みんなの狙いは一等のエアーガン。子供なら持つだけで大変な大きさの、スナイパーゴーグルまで付いている凄そうなやつだ。

子供たちは一等の景品を当てるべく、お母さんからもらってきたお小遣いを握り締め、凄まじい意気込みでくじを引くが、お目当てのエアーガンが当たる事は無い。なぜなら一等のくじは、準備の段階で全てゴミ袋に捨てられているからだ。

くじを用意する時に、一等のくじは入れるなと親分に言われ、その通りにした。それによって泣く子はおらず、危ないエアーガンが当たらなくてお母さんも安心。三者共に満足する素晴らしい商売だった。

これは”子供だまし”だが、大人になると”すけべだまし”に変わり、いくつになっても男は騙され続ける。

話は逸れたが、お風呂には「入浴料」と「サービス料」の二種がある。屁理屈を通すための、面倒なシステムだ。気を付けなければならないのが、”総額でいくら払うのか”という事。これはまず従業員に確認した方がいい。

この二つを確認しながらお風呂屋さんを廻る。

くじ引き

飲食店に、”食器にこだわってるのは良いお店”という指標ががあるが、”待ち席にこだわってるすけべはいいすけべ”という指標が僕にはある。

その日僕が目を付けたのは、しっかりとした門構えの老舗だった。そこは入るとまず靴を脱ぐ。これは写真だけ見て帰るというのはやりずらい。よく考えてあるのかないのか。でも今日はこの店に”一発”で決めるだろうと、居心地の良さそうな待ち席を見て感じた。

待ち席といえど、待つのは嫌いな僕。ソファに座ると、スーツを着たお兄さんが僕の横に来ておしぼりをくれた。そしてすぐに入れる”湯女”を尋ねると、二人の写真が出てきた。ほう、二人とも可愛い。

「二人とも当店自慢の女の子でございます」

そんな言葉には騙されない。
僕は一つだけ質問をした。

「より真実に近い写真なのはどっちの子?」

しっかりお兄さんの目を見て聞いた。見すぎなくらい。一瞬の間があったが、”こちらです”と指差した子を指名する事にした。

受付で入浴料を支払うと、廊下のカーテンをくぐる。お兄さんがカーテンを開けてくれて、なんか偉くなった気分になれる。カーテンの向こうには写真の女の子が下着姿で待っていた。

疑似恋愛

「よろしくお願いします」

そう言って湯女はニコッと笑いかけてから、僕の手を握った。手を繋いで部屋へ向かう。出会ってすぐなのになんて大胆何だろう、ドキドキする。女の子と対面する瞬間の緊張感は、いくら経験を重ねてもたまらない。愛想は良いし、写真のまんま可愛い。

部屋に入ると、ベッドのスペースとお風呂のスペースが区切られているワンルーム。建物自体も相当古い。ベッドに座ると、お茶を出してくれた。リラックスしながらポケモンGOでビードルを捕まえていると、湯女はお風呂にお湯を溜め始めた。

年齢は僕の二つ上。歳が近いのもあり、会話も盛り上がる。明るくて良い子だ。

「あたしもポケモンGOやってる〜」

共通の趣味があると盛り上がるのは、グノシーのコラムで流れてきたので知っている。

「見せて見せて〜」

そう言って隣に座り、iPhoneを覗いてくる。湯女のいい匂いによって、僕のビードルがコクーンに進化した。

「すご〜い、いっぱい捕まえてる!!」

図鑑は2ヶ月で国内コンプ。レベル30の準ガチ勢だ。その苦労を分かってくれるとは、なんて良い子なんだ。僕はこの子に恋をしそうだ。

そっとポケモンGOを閉じてiPhoneを机に置くと、湯女は電気を暗くした。先ほどまで明るく喋っていたが、無口になり上目遣いでこちらを見ている。その顔を見て僕はピンと来た。

この子は僕に恋をしている

そう思うとこちらもより意識してしまう。湯女との距離が近いため、可愛い顔だけははっきり見えていた。僕は寒いからお風呂に入りたかっただけだが、その前に恋に落ちてしまった。

「お風呂に行きましょう」

そう言われ、断る理由はどこにも無かった。

お風呂

お風呂に入る前にシャワーを浴びる。その前に服を脱ぐ。湯女は僕の服を脱がしてくれた。そして自分の服も脱いでいく。

お風呂恒例の”すけべ椅子”に座り、体を洗ってもらう。”すけべ椅子”の”すけべ”な部分から体を洗ってもらうのは最高だ。

洗い終わったらようやくお風呂だ。先に入ると、湯加減は最高だ。自分の体を流してから、湯女もお風呂に入ってきた。

言い忘れていたが、この湯女。

目測で体重が僕の倍以上ある。

「失礼しまーす」

ジャッパーーーーーーーーーン

土俵入り

見合って見合って

はっけよーい

のこった

のこったのこった

ウッヘーーーーーーイ

決まり手:腰砕け

勝者:若の穴

百年の恋も

冷めるわ

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 文句あんのか。